膝蓋骨脱臼について
2021.02.11
カテゴリーコラム
●おうちでわんちゃんとボール遊びをしているときにわんちゃんが急にキャンと鳴いて、
そのあとしばらくの間片足をケンケンしていた
●この前病院にワクチンを打ってもらいに行ったときに、先生に
「この子は膝のお皿がゆるいですね。時々変な歩き方をすることはありませんか?」
と聞かれた
そのあとしばらくの間片足をケンケンしていた
●この前病院にワクチンを打ってもらいに行ったときに、先生に
「この子は膝のお皿がゆるいですね。時々変な歩き方をすることはありませんか?」
と聞かれた
このような経験のある方はいらっしゃいませんか?
今回は小型犬に多くみられる「膝のお皿のゆるみ」=膝蓋骨脱臼についてお話したいと思います。
<膝蓋骨脱臼とは?>
正常では大腿骨(太ももの骨)の上にとどまっている膝のお皿が、生まれつきの異常や外からの衝撃によって内側や外側に外れてしまうことを膝蓋骨脱臼といいます。
脱臼により骨の変形や関節炎が生じ、わんちゃんは痛みを感じてしまいます。
脱臼の程度により重症度が4段階に分類され、数字が大きいほど重症となります。
<なりやすい犬種・原因>
トイ・プードル、チワワ、ポメラニアンなど小型トイ犬種でよくみられると言われていますが、どんな犬種でもなる可能性があり(大型犬でも認められます)、多くは若齢時に診断されます。
主な原因として先天的な骨や筋肉の成長異常が考えられています。
子犬で見つかった場合は成長とともに脱臼しにくくなる可能性もありますが、悪化して常に脱臼している子も少なくありません。
<予防・治療>
重症度の高い子や痛み・歩き方に異常が生じている子は手術の適応となります。
基本的に内科治療で完治する病気ではないため、以下のように悪化を予防することがとても大切です。
・太らせないように体重管理をする
・屈伸運動やバランスボールで筋肉量を増やす
・関節保護の注射やサプリメントを使用する
・滑りづらい床で生活させてあげたり、足裏の毛が長くならないように注意する
膝蓋骨脱臼は早期発見・早期治療してあげることでわんちゃんの将来的な関節炎のリスクを下げてあげることができます。
気になる方は、ぜひ一度獣医師までご相談ください。
獣医師 坂井