犬の熱中症について
2021.07.09
暑さが日ごとに増してきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
暑くなってくると怖いのが熱中症です。
今回は犬の熱中症について書いていきたいと思います。
熱中症とは体温上昇とともに脱水によって身体がショック状態に陥ることをいいます。
悪化すると死亡や後遺症につながることもある危険な病気です。
ワンちゃんは身体の一部でしか汗をかくことができないので、人のように汗をかいて体温調節をすることができません。
なので、気温だけでなく湿度が高い場合も危険です。
急に日中の気温が上がり始めるにも関わらず暑さや湿気にまだ身体が慣れていないゴールデンウイーク頃から発症するケースが増え始めます。
熱中症が恐ろしいのは時間が経つほど悪化していき最悪の場合は命を落とす危険があるからです。
さらに、対処が遅れると内臓や脳の機能障害などの後遺症に繋がります。
もしすぐに回復したとしても、体に受けたダメージによって数日後に体の機能障害が出ることがあるのも熱中症の怖いところです。
熱中症の症状が見られたらすぐに動物病院に連絡して下さい。
犬は体の熱を下げるためにハァハァと呼吸することがあり、これをパンティングといいます。
熱中症の初期症状ではパンティングがいつもより速くなったり、激しくなったりします。
また体温上昇とともに以下のような症状がみられます。
・呼吸が荒く心拍数もいつもより早い
・よだれが多い
・お水を飲まない
・ご飯を食べない
・ぐったりしていて、元気がない
これらの症状に早く気づいてあげることが大切です。
それと同時にこのような症状が出る前にどのような状況にいたかも振り返りましょう。
・外で興奮していた
・暑い日に車の中や狭い部屋などの密室状態の中にいた
お家のワンちゃんに熱中症が疑われたら、応急処置を行いつつ、動物病院に連絡をし獣医師の指示を仰ぎましょう。
・来院までのご家族へのアドバイス
来院までの時間が長いほど予後が悪化する可能性も指摘されており、
来院前に熱中症の可能性が高いと判断した場合は、
全身を水で濡らす、エアコンの効いた車できていただく、氷嚢やタオルなどで首などを冷やすなどご家族ご自身で冷却を進めておくのも有効と思われます。
・熱中症を発症しやすい犬種
熱中症を発症した犬の内3頭に1頭ががフレンチブルドックなどの短頭種といった報告があります。
その他の犬種が熱中症にかからない訳ではないのですが短頭種は他の犬種に比べ熱中症を発症しやすいです。
短頭種以外にも大型犬、肥満傾向の犬、心臓病や気管の病気をもった犬も熱中症を発症しやすいので要注意です。
熱中症の説明については以上です。
暑い夏、熱中症に気をつけてお家のワンちゃんと楽しく過ごしていきましょう!
動物看護師 重原