投薬って大変・・・
2020.02.12
みなさま、お久しぶりです。獣医師の伊原です。
私は3匹の猫と暮らしています。
その中でも、最年長の草太君は私が大学1年生の時から一緒に暮らしている、16歳7か月のおじいちゃんです。
少し太り気味の体と、愛想の悪そうな顔、すごい食欲が特徴の彼ですが、15年間全く病気をしない健康優良猫でした。
しかし、一昨年からは糖尿病を発症したり(もう治ったけど)、慢性腎臓病が発覚したり、認知症を疑う夜鳴きが始まったりと、なかなか忙しかった彼。
極めつけに、昨年秋ごろから痙攣を起こすようになり、MRI検査を受けた結果、『特発性のてんかん発作』と診断されました。
この病気は原因不明のため、根本的な治療は難しく、抗てんかん薬を使って、発作を抑える治療をおこないます。
さて、16年目にして1日2回の投薬が必要になった草太君。
食欲旺盛だし、私は獣医師だし、余裕でしょ!と思っていましたが…
これが意外と苦戦することに。
まずドライフードに薬をそのまま入れてみましたが、薬だけ残される。
「食いしん坊のくせに、選り好みするんかい!!」
と思わず、猫につっこんでしまいましたよ。
ウェットフードやちゅーるに薬を混ぜると飲んでくれましたが、手が汚れたり、スプーンを使わないといけないのは、ちょっと面倒だな…。
面倒くさがりやなもので(笑)
口の中に直接押し込むか?
とも考えましたが、もう少し簡単に、ストレスと手間なくできないものか、と再検討。
そこで、いい商品があるのを思い出しました。
当院でも取り扱っている、“投薬補助トリーツ”です!
こんな感じに、お薬を入れ、団子にして、隠してあげます
包む際に手が汚れることもなく、とっても簡単です。
お味はチキン味で、草太君だけでなく、他の2匹も、
「その美味しそうなおやつをクレクレ」とよってきます。
今では、1日2回の投薬は猫さん達のおやつタイムになりました。
わが子達も、気が向けばお手伝いしてくれます。気が向けばね(笑)
投薬方法は定着しましたが、次なる問題勃発!
そう投薬するのを忘れる問題です。
いや、そこは頑張れよ…って皆さん思うかもしれないですが、夫婦とも似たような性格なのでしょうか、忘れがちになってしまうのですよね。
対策として、投薬表を冷蔵庫に貼ってチェックするようにしています。
だいぶ投薬忘れが減ったのですが、チェックされてない日も時々ありますね(-_-;)
病気の動物と暮らすようになり、投薬の大変さがよくわかりました。
毎日きっちり投薬されているご家族の皆様のことを、尊敬する日々です。
うちの草太君は比較的なんでも食べますが、
猫ちゃんの場合、薬を混ぜるとご飯を食べなくなるということも多く、投薬に四苦八苦されているご家族の方も多いと思います。
上手く食べてくれるかは、猫の好みによりますが、投薬にお困りの方は、投薬補助トリーツを一度試してみてくださいね。
食事療法を行っている時は、使用できない場合もありますので、担当獣医師にご相談ください。
獣医師 伊原